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・厳寒のベルリンに世代や国籍を超えて多くの熱心な映画ファンが集まり熱い雰囲気を醸し出す。

LGBT映画を対象にしたテディ賞で「彼らが本気で編むときは、」が審査員賞を受賞したことが日本でも話題にもなったけれど、今年は充実した年だった。

イタリア映画「Call Me by YourName」は、80年代の北イタリアを舞台に、自分の父親の助手としてやってきたイケメンのアメリカ人青年に恋をした高校生のセクシュアリティの目覚めと揺れ動く恋愛感情を丹念に描いた傑作。夏の光が眩しいイタリアの光景や食事の場面など魅力的な要素が多い。脚本は「モーリス」などで知られるゲイ監督ジェイムズ・アイヴォリー。

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Call Me by Your Name
監督は「ミラノ、愛に生きる」などが日本でも上映されているルカ・グザダニーノ。

 

イギリス映画「God’s Own Country」は、保守的な父親らと一緒に暮らしながら牧場の経営を手伝う青年が、ある時牧場に働きにきたルーマニア人青年と恋に落ちる。保守的な風土で自分の性癖を隠しながら生きるゲイの苦悩や人種差別などを繊細かつリアルに描いた素晴らしい映画。

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God’ s Own Country
監督のフランシス・リーはこれが監督1作目でサンダンス映画祭監督賞受賞の髭熊さん。

 

チリ映画「A Fantastic Woman」(コンペティション部門最優秀脚本賞、テディ賞最優秀作品賞受賞)は妻子ある男性と不倫関係にあるトランスジェンダーのマリナが彼の突然の死により状況が急変する様をスリリングに描く。実際にトランスジェンダーでもあるダニエラ・ベガの圧倒的な存在感が素晴らしく、多くの批評家に絶賛された。

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A Fantastic Woman
トランスジェンダー俳優初の演技賞受賞を期待されたけれど残念。今後の活躍にも期待。

 

毎年ユニークなドキュメンタリー映画が上映されるけれど、ゲイ向け豪華客船を舞台に様々な人間模様を描いた「Dream Boat」、監督とレズビアンである母親との関係を捉えた「Small Talk」など注目作もあった。日本での上映も期待したい。

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Dream Boat
それぞれ異なる世界から集まったゲイたちが、ルックス、セックス、HIV などを語っていく。

文◎北条貴志/ライター ©Internationale Filmfestspiele Berlin

ベルリン国際映画祭
毎年2月に開催される国際映画製作者連盟 (FIAPF) 公認の国際映画祭。カンヌ国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭と並び世界三大映画祭のひとつに数えられている。
https://www.berlinale.de/en/HomePage.html

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