取材・文/北条貴志/ライター ©Berlinale 2018

ベルリン国際映画祭は、ドイツのベルリンで毎年2月に開催される国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の国際映画祭。カンヌ国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭と並び世界三大映画祭のひとつに数えられ、LGBTやクィアをテーマにした映画に与えられる独立賞のひとつに「テディ賞」がある。

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photo by Alexander Janetzko


 

今年のベルリン映画祭で最も高い評価を得たLGBT映画と言えば、ルパート・エヴェレットが主演・監督を務めた「The Happy Prince」に尽きるだろう。耽美的で退廃的な作風で知られ「サロメ」「ドリアン・グレイの肖像」など文学史上に残る傑作を生み出したものの、当時禁止されていた同性愛行為を咎められ、投獄されたのち零落したまま生涯を終えた作家オスカー・ワイルドの晩年を映画化。

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The Happy Prince-02

ワイルドが人生の最後になって思い出す様々な過去の出来事をフラッシュバックで振り返りながら、同性愛差別への批判なども絡めて描きだした力作。エヴェレットにとって一世一台の名演といってもいい。彼の出世作であるゲイ映画「アナザー・カントリー」で共演したコリン・ファースの客演も嬉しい。


 

コンペティション部門で最優秀作品賞に当たる金熊賞を受賞したルーマニア映画「TouchMe Not」は、性の問題を持つ女性が通うセラピーを中心にトランスジェンダーなど様々な人々との出会いを描いた実験的な作品。作品の出来が最高賞に値するのかなど賛否両論、物議を醸し出した。Touch Me Not


 

「The Silk and the Flame」は、旧正月に帰郷した中国人ゲイの姿を通して、中国社会におけるゲイと家族との関係を詩的なモノクロ映像を使い静謐なタッチで描いたドキュメンタリー。

The Silk and the Flame他にも色々あったけれど、どの作品も何らかの形で日本でも上映されることを期待したい。

ベルリン国際映画祭2018
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