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・第72回ベネチア国際映画祭(2015年9月2日~12日)

LGBT映画が金獅子賞を受賞したのは2005年の『ブロークバック・マウンテン』以来の快挙。しかも監督はこれがデビュー作ということで大きな話題になった。

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『From Afar』は年齢の離れた2人の関係を抑制されたタッチで丹念かつリアルに描いていく。現地では評価が分かれていた作品だけに金獅子受賞は驚きだったが、この監督には注目していきたい。
また近年ラテンアメリカからは、ベルリン映画祭審査員グランプリ受賞の『ザ・クラブ』(日本ではラテンビート映画祭で上映)など、LGBTを題材とした質の高い映画が増えているので、この点も見逃せない。

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『The Danish Girl』は『レ・ミゼラブル』のトム・フーパーが『博士と彼女のセオリー』で賞を総なめにしたエディ・レッドメインを主演に迎え、20世紀の初めに性別適合手術を受けた男性の姿を描いた。自分の性に疑問を抱き始めた芸術家アイナーと、彼を支える妻ゲルダの関係を絵画的な映像美で繊細に捉えていく。レッドメインとゲルダを演じるアリシア・ヴィキャンデルの演技が素晴らしい。この作品はベネチア映画祭で最も優れたLGBT映画に対し与えられるクィア・ライオン賞を受賞した。この後もアカデミー賞などにノミネートされることは確実だろう。

 

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『From Afar』
裕福な中年男アルマンドは、街中で偶然目を付けた若いチンピラのエルダーを金で誘い自宅に連れ込む。気の荒いノンケのエルダーも最初は気味悪がったが、金の魅力には抗えず、望みに応じ目の前でオナニーをしたりする。しかし関係を重ねていくうちにエルダーもアルマンドに心を開いていくようになるが・・・。

 

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『The Danish Girl』

1920年代のコペンハーゲン。アイナーは画家である妻の要望で女性物の衣装を着てモデルになった作品がその美しさ故評判になる。アイナーは次第にそれらを身に纏い社交界に出るようになる。そして次第に自分自身の性の揺らぎを感じるようになり、当時はさほど知られてなかった性別適合手術のことを聞きある決心をする。

 

文=北条貴志/ライター 画像=©72.Mostra Internazionale d’Arte Cinematografica

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