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30歳まで女性として暮らし、染色体検査でインターセックスと判明した人気漫画家・新井祥さんを中心に、性同一性障害、ガトゥーイ(第二の性)、Xジェンダーなど、様々なセクシュアリティの人物にスポットを当てたドキュメンタリー映画「性別が、ない!」が公開される。

今回、監督を務めた渡辺正悟さんに作品にかける思いを伺った。


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男性でもなく、女性でもない何かと性自認し、自分の体に起きた劇的な体験をエッセイ漫画として描く新井祥さん(右)は、ゲイのこう君(左)をアシスタントに同居生活を送る。二人の生活に密着し、新井さんの心の突底を照射する時、二人の関係は思わぬ方向へ…。


ーーー本作を撮影しようと思ったきっかけを教えてください。
何かの、誰かのフィルターを通すことによって見えてくるものもあり、そういう対象が何かをずっと考えていました。

なぜ僕自身がセクマイに興味を持ったのか…それは多分彼らの中に自分がいる、そして自分の中に彼らがいるはずだと思っていたからです。そんなときエッセイ漫画家・新井祥さんのギャグマンガと出会いました。

破壊力のあるギャグセンスや、ユーモアに溢れた眼差し、そして何よりも4コマ漫画のコマとコマの間に見え隠れする表現者としての絶対的な孤独や、激しい生き様や葛藤が気になってしょうがなくなりました。

この映画は医学的でもなく、分析的でもなく、生き方を選びとる主人公の勇気ある人生に迫ることを目指した作品です。

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作中で登場する4組の登場人物は、すべて新井さんと関わりのある専門学校の同僚教師や行きつけの店の人などにオファー。香港で出会った漢方医として有名な細細老師も新井さんがインターセックスの当事者で、日本の若者との接点を持っているということでオファーを快諾してくれた。


ーーードキュメンタリー番組のプロデューサー・ディレクターもされていますが、今作を撮影するにあたり気をつけた事やこだわった点はありますか?
セクシュアリティに関することなので、テレビではなかなか扱いづらいだろうなと。だから映画でしか表現できない性と愛の物語をドキュメンタリーで描こうと思いました。

当事者に寄り添って見えてきたものは、カムアウトと性自認の問題です。一番近しい家族に理解してもらいたいという当事者の葛藤と家族の側の戸惑い。トランスジェンダーの中でも心の性が、男か女かはっきりしない、または決めきれないXジェンダーの存在。

インターセックスも70種もあり性自認は様々です。たまたま主人公は「男」でもない「女」でもない「中性」と自らを認識しています。こうしたセクシュアリティの多様性と複雑さが存在するということ。他者には理解してもらいにくい、主人公とその仲間たちの葛藤や不安、希望や喜びを描きたいと思いました。もう一つは性的指向の問題でした。セクマイの人生における、共に歩むパートナーの存在の重要性。こうしたことを人間の物語として描こうと思いました。

ーーー今後「アップリンク渋谷」以外の劇場公開予定はありますか?
7月28日より「アップリンク渋谷(東京)」、8月4日より「シネマスコーレ(名古屋)」9月15日より「シネ・ヌーヴォ(大阪)」で順次公開予定です。ぜひお近くの劇場に足を運んでみてください。

 


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映画 : 性別が、ない!
インターセックス漫画家のクィアな日々

2018年7月28日(土)よりアップリンク渋谷ほか全国ロードショー

監督:渡辺正悟/プロデューサー:キム・ヒージュン
構成:鷲見市子
撮影:大石英男
編集:藪下一也
キャスト;新井祥、うさきこう、IKKAN、倉持智好、中山貴将
2018/106分/日本/配給:オリオフィルムズ
https://seibetsu-movie.com/

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