青森インターナショナル LGBTフィルムフェスティバル
東北では唯一の開催となるLGBT作品の映画祭。地方では開催はなかなか継続することが難しい現状であるものの、なんとこの「青森インターナショナル LGBTフィルムフェスティバル」は今年で10周年。都会ほどの大掛かりな日程や作品数ではないものの、毎年多くの来場者で溢れ、LGBTの当事者でないノンケセクシャルの人や遠方から楽しみにやってくる人たちにとっても、毎年恒例の行事となっている、そんな人気の映画祭の代表を初開催から務めている成田容子さんにお話しを伺ってきた。
ー今年で10周年ということですが、これまでを振り返ってみていかがですか?
「慣れる」ということはないものですね。開催前は常に緊張していて、その緊張を繰り返し、気がついたら10年経っていた。という感じです。
ー10年継続することができた理由はなんですか?
協力、応援してくれる多くの方々のお蔭です。全国のLGBT映画祭のスタッフの方々には毎年アドバイスを頂いています。「ずっと来たい!と思っていましたが、ようやく来れました!」という観客の方々の声にも励まされています。スタッフがそれぞれの専門性を生かして運営に携わってくれたことも大きな力になっていると思います。
ーLGBT映画祭は各地で開催されていますが、大都市と地方との開催の違いを教えて下さい。
来てくれた方は、「スタッフが仲良さそうで楽しそう」と言われています。映画祭当日は、みんな緊張してガチガチなんですが(笑)、規模が小さいので家庭的な雰囲気かも知れませんね。
ーこの映画祭を始めたきっかけはなんですか?
10年前に当時の関西クィア映画祭代表の方との出逢いがあり、「青森でもLGBT映画祭をやってみませんか?」と言われました。到底無理と思ったのですが、色々調べましたら、開催できない決定的な理由がみつかりませんでした。それで、「やってみましょう!」ということになりました。
ー今後の目標を教えて下さい。
この10年間で、スタッフも変わりました。仕事が変わり、青森を離れたり、子どもを持って親になったり、就職したり、仕事を辞めて学生に戻ったり・・・。これからもスタッフが変わり、周りの環境も変わっていくと思います。映画祭も時代の流れと共に形を変えながら続いていけば良いなぁと思います。
ーバディの読者に一言お願いします。
今年10周年を迎える映画祭ですが、いつもと変わらず、私たちらしい映画祭にしたいと思います。バディ読者のみなさま、ぜひ青森にいらいして下さい。会場でお会いできるのを楽しみにしています!
7月11日(土)開催
1日通し券:2000円(前売り)
1プログラム券:1200円(前売り)
「SRS ♂ありきたりなふたり♀」 上映時間/13:00~13:55
彼女が「元男」だったら、それでも愛し続けられますか?
ミュージシャンの「ツヅケン」は、恋人のユイに意外な過去を告げられる。その過去を思うと、これからの一歩を踏み出せないでいた。。。そんな時、ツヅケンは中性的なミチルと知り合い、セクシャルマイノリティとの交流を深めることになり、それがきっかけで性と愛について考え始めるていく。そして自身のライブの日を迎え、ステージの上でユイにある答えを出す。
「I AM」 上映時間/14:15~15:30
インド出身のレズビアン映像作家の過去への旅路を描いたドキュメンタリー。インドには同性愛行為を禁止する刑法が今でも存在する。かつて「家族」とともに暮らしていた「デリー」にある実家を訪れた監督は、ゲイやレズビアンの子どもを持つ親との対話を通して「家族」の真の意味を紡ぎ出しながら、「カムアウト」する前に亡くなった母との対峙と和解への道を模索する。
「カミングアウト」 上映時間/15:50~17:30
ゲイの大学生「陽」は、親友の「昇」に片想いしている。しかし、大学のサークル仲間にも、一緒に暮らす家族にも、ゲイである事を隠している。以前に比べれば、セクシャルマイノリティも少しずつ生きやすい時代になってきたが、仲間たちとの友情や恋愛の他にも、就職や結婚など将来への不安は尽きない。過ぎ行く日々の中、陽の周囲に起こる様々な出来事。いつしか、陽の中にある想いが生まれ始めていた。葛藤の末に陽が進め道とは・・・。
