ニュースソース:BUZZFEED「ゲイだ」とばらされ苦悩の末の死 学生遺族が一橋大と同級生を提訴

詳細はニュースソースを読んでいただくとして、アウティングされた彼を救う手段はなかったのかを問いたいと思います。

まずは学校の対応。BUZZFEEDの取材においては

「大学側は「性同一性障害」を専門とするクリニックへの受診を勧めてきた」

とあります。法曹界に何人も送り出すような国立の名門・一橋大学においても、いまだにこんな勘違いがあることに、口が閉まらないほど驚きました。記事では、なんもり法律事務所の南弁護士が語ったとあるように「彼」は自分自身が同性愛者であることは許容していました。でなければ、ストレートであることがわかっている友人に告白などできやしません。告白以前に自信がゲイかどうか葛藤している段階では、そのような行動は取れないはずです。であるにも関わらず「性同一性障害」専門のクリニックへの受診をすすめるとはどういうことなのでしょうか。明らかにハラスメント相談室の相談員や職員、教授、保健センターの保健師を始めとした、彼が相談した相手らの知識が欠如していたとしか言いようがありません。まずはこのような事件を繰り返さないためには、彼らにちゃんとした知識を身につけてもらうことしかないのです。

この記事を読んでいる人は、「同性愛者」と「性同一性障害」の違いが、大まかでも分かると思います。わからない方のために簡単に説明すると(デリケートな問題を簡易に書くことは危険なのは重々承知ですが)、「僕は男で男の人が好き」「私は女で女の人に惹かれる」。それは自身の性自認と恋愛対象が同性である。読んで字のごとく同性愛者です。「私は女なんだけども、身体は男性の構造で、違和感がある(Male to Female)」「僕は男だけども、胸があって嫌だ(Female to Male)」。つまりは自身の性自認と身体の構造が一致しないことを指すそれらは「性同一性障害」です。「性同一性障害」の方のなかには「同性愛者」の方がいます。体の構造は男性だったけど性自認は女性で女の人に惹かれる。この場合はMale to Femaleのレズビアンということになります。ここまで書いたら分かって貰えると思います。「同性愛者」と「性同一性障害」は別物です(ただしLGBTと書いたときはTがトランシュセクシュアルですので、セクシュアルマイノリティのひとつの括りとして書かれます)。

次に友人の対応。アウティングという行動が悲惨な結果を生んだこの事件。アウティングする人を責めれば、このあと事件が起こらないかといえばそうではありません。記事にはこうありました。

彼はそれまで、ロースクールの同級生たちが、同性愛者を「生理的に受け付けない」などと話しているのを聞き、ゲイであることを秘密にしていた。

余談ですが、私も先日通っているジムで似たような会話を聞きました。その人は二丁目に遊びに行った時になにかあったようですが、それは私自信に向かって発せられてはいないものの、ここではあまり露骨な話は避けるが善しと判断しました。このように周りを分析することができるのならば、「生理的に受付けない」と言わない、できれば「受け入れてくれそうな」人との関係構築をしておいたほうがいいと思います。切羽詰まるとどうにもこうにもならないことがあります。そのときに逃げ道を用意してくことは必要なこと。自衛の手段です。

それにしても、良心的な学生さんにはなんども書いて申し訳ないですが、法曹界に何人も送り出すような国立の名門大学で、こういうことが話されているとは、法曹界の中にも同じような人がいるということでしょうね……。刑事事件を起こした際の検事は選べないまでも、なにかで弁護士さんのお世話になる時は、なんもり法律事務所のような当事者かLGBTフレンドリーかどうかということを確認したほうがよいかもしれませんね。

弁護士さんのお世話になるまでもないようなことでも、何かの際には相談できる相手や場所があると良いと思います。もちろん両親や家族にできれば言うに超したことはないですが、それは難しい人がほとんどです。ゲイの友人で、膝を付き合わせて話せる人がいればいいと思いますが、それもちょっとという人も意外と多いと思います。そういう人のためにゲイ向けLGBT向けの、電話やネットの相談窓口があります。代表的なものをホームページ記載しますので、なにかの際にはそこで話を聞いて貰うことを強くお勧めします(電話番号や相談時間は変わることがあるので、それぞれのウェブサイトで確認をお願いします)。

  • NPO法人 OCCER(アカー)
    同性愛やHIV/エイズについての「正しい知識・正確な情報の普及」「差別・偏見の解消」「ネットワーク作り」を目指す民間のNPO法人。総合的な電話相談とトラブルやゲイバッシングの相談窓口などがあります
    http://www.occur.or.jp/
  • AGP ON LINE
    医療・カウンセリング・福祉・教育などの分野でレズビアン&ゲイコミュニティーに貢献しようとするグループ。こころの相談とからだの相談があります
    http://www.agp-online.jp
  • NPOの法人 プレイス東京
    HIV陽性者や周囲の人の支援、感染不安の電話相談があります
    http://www.ptokyo.org/

ほかにもいろいろな相談窓口があります。関西圏など各地域にもあります。悩み事で詰まったらネットで検索するだけでも、いくつか出てきますので、相談窓口はぜひ活用してください。どんなに思いつめても死んではいけないんです。どこかに解決の緒があるはずです。どうしても思い悩んでにっちもさっちもいかない時、どこに相談すればいいのか判断つかないなどの時は編集部にメールをください。そして死ぬことだけは一旦止めてください。

ご遺族の方は、大学から説明がないといううことで訴訟に踏み切られたそうです。せめて今後このようなことが起きないよう、またご遺族の心が少しでも休まるように、非公開でもいいので説明をしていただければと思います。

末筆になりましたが、亡くなった「彼」のご冥福を心よりお祈り申し上げます。